先の投稿で疾病の多い順番をグラフで示しました。欧米では一位が循環器関係で、日本はまだ癌がトップであることを
示しました。癌は不治の病ではなくなりつつあるのです。

癌の治療は遺伝子操作によるものなど感染症対策と共通する新しい医療技術が求められています。癌の研究者が感染症の分野に乗り出してきている実態が明らかになりつつあるのです。いわゆる「精密医療」と呼ばれる分野がこれに該当します。

精密医療の概念は奥が深いのですが、担当する分野のすそ野が広く最新鋭の医療機器の開発から情報技術・AIに至るまで幅広い専門家が一体となって問題解決に挑む体制が散見されます。もちろんその中核は遺伝子工学です。

最近大学の理科系の学部に「先端理工学部」とか「生命工学科」が生まれています。例を挙げれば、明治大学の理工学部「電気電子生命学科」、早稲田大学の先進理工学部「生命医科学科」、東京理科大学の先進工学部「生命システム工学科」などです。

早稲田大学先進理工学部の教科書と見られる「生命科学概論」を見ると、生命の起源から始まり感染症の歴史、遺伝子解析、最近の医療技術に至るまで現在の新型コロナウイルスなど感染症パンデミックを予測したような記述があるのに驚いた。2012年出版にしては、このような先見性に基礎研究の重要性を痛感させられる内容でした。

早稲田大学の先進理工学部「生命医科学科」は大学院に進めば医師の免許とは無縁の「医学博士」が生まれる可能性が出てきます。医療行為をしない、研究一筋の「医学博士」が存在するのです。

私もある大病院の循環器内科にお世話になり、カテーテル治療で大動脈狭窄の治療をすることになりました「TAVI」と云って大腿からカテーテルで人工弁を埋め込む手術です。高齢者は切開手術は出来ず、今までは半ばあきらめていた人工弁埋め込みが医療の進歩によって可能となったのです。

医師からTAVIのメリット・デメリットの説明を詳細に聞き決断した次第です。4月半ばには退院できそうなので、体験談と入院中に読書した本のご紹介等投稿できればと思っております。