命・生活・経済、パンデミックで何が起こり何ができるのか?

通常は、命の危険は、生活の危機につながり、最終的には経済恐慌となります。この間、タイムラグがあります。
しかし今回のように感染症のパンデミックが起こるとほとんど同時発生的に連発するのです。

この3つの危機が時を置いて逐次発生する場合は比較的に対策がたてやすいのですが、同時発生の場合は予測が難しく、世間は不安と焦りに満ち溢れるのです。現在の状況がこれに当たっております。

それでは全く打つ手がないのでしょうか?そんな状態では身を守る術を失います。試行錯誤を恐れず、出来ることはすべてやってみるしかありません。逃げたら負けです。

以前から云っているように、先ずは情報を集めることです。前もって収集した情報も総動員しなければなりません。今回不十分ながらこの事を基準に対策を立ててみました。人それぞれ置かれた条件が異なりますのでこれから述べることが万人に適用できるとは思いませんが、一つの事例として参考にしていただければと幸いです。

先ず、30兆円規模の政府の経済対策が可能か、そしてその効果はどうかを考えてみました。命も生活もすべてカネにかかっているからです。つまり経済財政政策にかかっているからです。

保有する情報の中から例によって日本銀行営業毎旬報告を取り出しました。これは日銀のバランスシートです。まず最近の報告、2020年3月10日現在と2019年3月10日現在のバランスシートを元に勘定科目を分かりやすくまとめてみました。この比較表が冒頭の図表です。

資産の部では国債が478.04兆円から494.91兆円に16.87兆円増えております。次に社債とETF等の投資信託は31.67兆円から36.78兆円に5.11兆円増えております。外債等でも2.9兆円増えています、リスク資産の増分の合計は8.08兆円となります。

負債の部では日銀券の発行は大幅には増えておりません。増えているのは当座預金です375.24兆円から392.32兆円に17.08兆円増加しております。当座預金は、市中銀行から日銀が買い上げた国債の代金を、優良な借り手がいないので日銀の当座預金にプールしているのが殆どです。法定積立金もありますが、国債の代金が殆どです。これは文字通り、日銀にとっては負債なのです。

日銀は金融緩和で市中にお金を行き渡らせ経済活動を活発にさせる目的であったのですが、このお金が停滞して日銀に貯めこまれ、皮肉なことにこれを原資にして国債やETFなどの債券を買続けているのです。私も単純な疑問を持ちました、それでは市中銀行はなぜ当座預金を取り崩さないのか、もし取り崩したらどうなるのだろう?

これには金利政策や為替、企業の投資性向など複雑に絡んでおり、日銀の市中銀行に対する管理指導の誘導も関与しているとも云えます。不可思議な問題です。ただはっきり言えることは日銀はイールドカーブコントロール(高度な金利操作)と云う非常に狭い道しか選択肢がなく、明らかに異次元の金融緩和からの出口を失っているということです。

国債の利回りの低下、社債やETFなどの株価連動の投資信託など株価の急激な暴落で日銀の資産価値低落は避けられません。黒田総裁は昨年の記者会見で投資信託の平均取得価格は18000円程度ともらしたことがあると云う記憶があります。それ以来更に取得価格が上がっているので平均取得価格は18500円程度にはなっているのではないかと推定できます。昨今の株価から判断すると10%程度の損失が出ているとみられます。
あまりにも過小な引当金・資本金・準備金の合計額と比較すれば、日銀のリスク資産の損失がいかに大きいのかお分かりになるでしょう。

財政法・日銀法の制約から政府紙幣発行(ヘリコプターマネー)は当面不可能です。国債の利回りが目先マイナスになるのは避けられないとすれば、財源は増税に頼るか日経連企業の負担で肩代わりさせるしか方法はないでしょう。消費税の減税など夢物語でしかありません。

新型コロナウイルスの対策がますます狭い道を模索して進まざるを得ないこととセットで経済対策も選択幅が狭く、相似形となっている実態を直視しなければなりません。

米国のFRB(米連銀)は13日に0.5%の利下げを発表したばかりです。本日、新型コロナウイルスの脅威が欧米諸国に急拡大することが明白となるとみてFRBは更なる利下げ1.0%に踏み切ったのです。これによって、株価が大幅に揺れ戻したのですが、問題は債券価格の低下が止まらない状況が気がかりです。社債市場が特に大きく下げているようです。

更に、為替が乱高下しております。出口を失った日銀はETFがダメなら米国の債券市場にシフトするのではないかと想像できます。折しもトランプ大統領はドル資産を買ってくれと日欧に迫っています。

当面はFRBの利下げによる超金融緩和が株価や債券相場の暴落を防ぐ効果を発揮できるかどうかにかかっております。市場がFRBのごりやくを見切った途端にリーマンショック級の金融恐慌がやってくるのは必至です。投資家の一部には日経平均株価、11,000円に向かうとみる筋もあります。

いずれにしても金融政策の結果、効果がなければ、新型コロナウイルスのパンデミックと経済恐慌の推移は同期するとみること、しかも今のところ予測はつかない段階で慎重に様子を見ておくしか方法はないこと、残念ながらそうとしか申し上げられません。

出来ることはすべてやると云う方針でいろいろ動いてはいますが、最近やったことを付記しておきます。

●高性能体温計(15秒計)を購入しました。出かけるとき常に携行しております。その場で測って入場・入店が出来るよう、また毎日家でも測定するため。

●HEPAフィルター付き空気清浄機を購入しました。(エアロゾル対策です)

●HEPAフィルター付き掃除機を購入しました。(エアロゾル対策です)

●Amazonの電子BOOkの有料会員に入りました。
(図書館が実質使えなくなる。本屋さんで図書を長時間かけて選ぶことも避けられる)

●床屋、歯医者、眼科、内科の検査等の密閉空間に近づかないよう。いち早く片付けておきました。

●株価・債券・金価格などの経済情報、国際情報などがリアルタイムで掴めるよう有料情報を含め用意しました。

●家で体を鍛えられるよう最低限の健康器具(ステップ台、運動用ゴム紐、バランスボールなど)を用意しました。

些細な抵抗ですが、やらないよりましではないかと考えております。皆さんもそれぞれ出来ることを考えてみてください。