8月25日の東京は
新規陽性者数 4,471 人
PCR・抗原検査
陽性率 20.7 %
検査人数 14,797 人

一方、大阪は
新規陽性者数 2,808 人
陽性率 14.2 %
検査人数 19,708 人

東京は大阪よりも検査数を少なくして新規感染者数を少なく見せようとしてるわけ。
大阪は陽性率を
2,808/19,708*100=14.2 %
と計算している。

〇東京の検査人数14797人で大阪の陽性率20.7%をあてはめた場合、陽性者は3062人となる
〇一方、大阪基準で東京の新規陽性者数4471人の陽性率を計算すると30.2%となる
これは検査数が少なすぎることを意味し、東京の公表の数値は恣意的に歪められていると云わざるを得ない。
多分、東京都は検査数と陽性率は、日ごとの集計が違うためマッチしないと言うだろが、数値が違いすぎる。

東京五輪が開催されると検査数が少ないのに感染者数の増加率が高い現象が顕著になっている。7月26日の東京都の報告を見ると検査数4796(通常の約半数)に対し感染者数は1763となっている。

元朝日新聞記者の佐藤章氏は、デルタ株が流行の主流となりエアロゾル感染がその現実となった今、三密対策は古くなりクラスター対策や濃厚接触者対策も現実に合わなくなってきているにも拘らず、依然として在庫消化の抗原検査にこだわり、精度の高い自動PCR検査の活用に抵抗している利権構造を余すことなく スッパ抜いている。

TBSラジオ、森本毅郎スタンバイでは「五輪期間は感染者数を少なく見せようとしていると見られても仕方がない」と云われるほど異常なデーターだ。因みに緊急事態宣言を解除する場面では必ず検査数を少なくして感染者数を少なく見せかけるのが常套手段だ。

上記により、検査数が明らかに少なすぎ、正常な検査数では陽性者はもっと増加する。
空気伝染するデルタ株の感染率が従来株より著しく高い現状から考えると、少なくとも人口比率から云っても毎日3万件の検査がなければ信頼できるデーターとは言えない。

全国の感染者数に統一された計算基準がなく、対象期日・対象地域等もバラバラで、こんないい加減なデーターですべてのマスコミ発表やコロナ政策が決まっている、この様な非科学的な先進国は他に存在しない。とにかくこれで一喜一憂する姿は滑稽としか言えない。

現在の検査の実態は飛ぶ鳥を疾走する馬から弓矢で射落とすような困難な混乱ぶりだが、データーサイエンスの専門家と感染症の専門家が協力すれば必ず整理ができてスッキリする筈だ。これができないのはデジタル技術の後進国であることの証左でしかない。


 

菅政権の最大の失政は「自宅放置」により尊い人命が失われていることだ。デルタ株蔓延の状況では、検査して隔離することは先進国では常識ではないか?

自宅待機者の急増と検査数の不足は無関係ではない。
デルタ株が蔓延している現状では、自宅待機(自宅放置)がこれ以上増えれば症状が急変し、自宅で亡くなる人が後を絶たない。

保健所の振り分けが追い付かなくなり、行き場のなくなった中症者が増え自宅待機者に加えて大変な問題となる。
これは感染者が困るばかりでなく、保健所行政、しいては厚労行政の破綻となり、国民の不満が爆発する。

当局は原因を感染者の急増に求め、感染者数を少なく見せようとする。意図する、意図しないに関わらず検査数を抑制する動機が生まれることは、当然の成り行きかも知れない。

「検査して陽性者を見つけこれを隔離する」ことが世界の常識となっていることを無視して政策を歪める「感染症村」の悪弊を絶たない限り、いくら総裁選候補が「改革」を語っても絵にかいた餅でしかない。

解決策は簡単だ、一つは、国営病院(国立病院、JCHO、労災病院など国の補助金で運営されている病院をコロナ病床専用として、ここでベットを埋めている一般患者は私立病院に引き受けさせることだ。前記の佐藤章氏の試算によればこれで1万5千床は確保できる。法的にもこれは出来ることで、万難を排してやるべきだ。

次に臨時の野戦病棟の確保だが場所と設備はいくらでも確保できるが、問題は医療従事者の確保ができないことだ。ただベットを増やすだけでは意味がない。医師と看護師を如何に効率よく働いてもらうかが課題となる。集約化すれば効率もよくなる。イギリスの例が参考になる。給料は3倍。ワクチン接種は法律を変えて客室乗務員や幼稚園の先生に短期間の講習で委託する。

初期段階の肺疾患は聴診器で充分間にあう。調べてみたら聴診器も進化して他の雑音は制御し肺機能の雑音だけ拾いあげる高級機種が販売されている。通常1万円前後するのが4万円くらいで購入できる。当然クリニックの医師なら既知のことだろう。一人10分もあれば初期の簡易な診察ができるはずだ。集約化のメリットはこうして生きてくる。診察の伴わない酸素ステーションは全く意味がない。

素人でも少し勉強すればこれくらいのことは分かるのに、政治家の先生方は勉強不足なのか、あるいは分かっていてもやらないのだろうか。勉強不足はバカであり、分かっていてもやらないとすれば何らかの利権が絡んでいるとしか考えられない。


2021-08-31

この本は欧米型新自由主義の成長戦略を「プランA」とし、この戦略は日本には合わないと主張している。

「プランA」を模倣した日本はあらゆる成長指標で既に敗北している。

本文276ページ中なんと約30の図表と数えきれないほどのデーターを用いこれを証明している。日本当局は隠しているデーターが多いが米国の調査機関には惜しげもなくデーターを提供しているので米国にいた方が手に取るように日本の本当の実情が分かるのだ。

このような皮肉な現象は、新型コロナウイルスに関する日本政府の隠蔽を明らかにする事に役立っている。データーサイエンスの専門家の立場からも日本国民が知らない重要な事実を詳細に説明出来ている。

「プランA」は勝ちを促進することに力点を置くあまり、負けを最小化することに関心が薄い。「プランA」は西欧先進国では成功しても、既に回復困難まで負け続けている日本にとっては正に悪夢でしかない。

筆者が提案する「プランB」は勝ちを促進するより負けを最小化する事を重視する戦略だと考えられる。このことは少数の勝ち組が支配する政治経済から多数の弱者を助けることによって消費経済を延ばし、医療・教育・文化・芸術など周辺経済を伸ばす戦略でもある。また、当然のことながら地方経済を重視し、都市集中を是正する戦略でもある。

「プランB」を理解するには日本の世界における地位、アジアにおける地位など正しいデーターに基づき再認識することから始めなければならない。

惨憺たる負けが多い日本の現状を知るためごく一部だけそのデーターを紹介しておく。

1.先進諸国の国際競争力ランキング(P26図表)
1990年からほぼ一貫して、シンガポール、香港、台湾と云うアジア3か国に遅れをとり続けています。あらゆる経済指標において、日本が世界一位どころでなくアジア諸国間で一を確保していたのは20年以上も昔の話なのです。

2.企業レベルでの国際競争力(P27図表)
国レベルの国際競争力より更に深刻な企業レベルの国際競争力。企業の時価総額上位20位の企業は、1989年は14社であったのが2019年には0社になってしまった。同じく、上位100社を見ると、53社から2社に転落。

3.世界の大学ランキング(P41図表)
東京大学、74位
京都大学、124位
大阪大学、242位

.逆走する男女平等ランキング(WEF2019年12月発表)
世界各国ランキングは、G7各国を比較するすとドイツ10位、フランス15位、カナダ19位、英国21位、米国53位に対し、なんと日本は121位で、中国、韓国より低い。
人口の半数を占める女性を構造的に排除し、エリート層から女性の参加を妨げていることは、エリート集団のサイズを小さくし国力を弱めていることになり、上記の想像を絶する国力低下の大きな要因となっていることに気づくべきです。


【目次】 見出しは抜粋

第1章 なぜ「プランA」は日本で失敗するリスクが高いか
グローバル企業の視界から消えつつある日本 /「プランA関連の日本企業支援」を掲げながら、失敗が続く日本政府の政策 / 

第2章 「プランB」とは何か?
プランAが「成功した」米国で、将来「生き残る」産業部門とは? /日本のプランBが含むべき「需要がなくならない」産業部門・職種 /日本のプランB関連産業の景気刺激と雇用創出の効果は大きい

第3章 「プランB」が地方経済を救う
実体経済を「回す」ために必要なのは、プランB関連の雇用の創出 /「上がらない、回らない、漏れる」地方経済を助長してきた不適切な経済評価 /

第4章 日本再生のためのビッグ・ピクチャー
プランBの一例の潜在的経済規模は米国で100兆円、日本で14兆円 /プランBが含む「新しい予防医療」分野で大規模な雇用創造大都市の綱渡り生活者に薦める、プランBの一環としての地方移住 /地方の「非」営利部門だけが可能な「所得倍増計画」

【著者プロフィール】
兪 炳匡(ゆう へいきょう)
医師、神奈川県立保健福祉大学イノベーション政策研究センター教授
1967年大阪府生まれ。93年北海道大学医学部卒業。93年~95年国立大阪病院で臨床研修。
97年ハーバード大学修士課程修了。(医療政策・管理学)。2002年ジョンズ・ホプキンス大学博士課程修了(PhD・医療経済学)。スタンフォード大学医療政策センター研究員、米国疾病・管理予防センター(CDC)エコノミスト、カリフォルニア大学デービス校准教授などを経て2020年より現職。著書に『日本再生のための「プランB」 医療経済学による所
得倍増計画』、『「改革」のための医療経済学』など。


【動画紹介】

日本のコロナ対策の根本的問題は、現状についての科学的医学的分析に基づく系統的で合理的な政策決定の姿勢自体がなく、世界や先進事例に学ぶ謙虚さに 欠けている点、医療を含めた社会全体に及ぶ影響を総合的にみる視野にかける点にあるのではないでしょうか。
ちょっと違った視点のコロナ対策を見る目を紹介します。

新型コロナに関しては下記デモクラシータイムスの動画を見ていただけば、「プランB」の感染対策の詳細が分かります。
ジャーナリスト山岡淳一郎が深堀するニッポンの崖っぷち。今回は、臨床医の経験と共に米国CDCやカリフォルニア州立大学デービス校などで5大学で25年間にわたって医療経済学・政策の研究をしてこられた、兪 炳匡さん( 神奈川県立保健福祉大学イノベーション政策研究センター教授)に世界標準のコロナ対策の基本となる1次~3次防衛ラインの考え方とともに現状を変えるプランBのコロナ対策をうかがいます。