予告通りまず検査数の推移から報告します。ジョンズ・ホプキンズ大の報告によると世界先進国の1000人当たりの検査数は米国で1.5人、北米で2.5人、オーストラリアで2.5人、ヨーロッパは1.5人~3人となっております。
これに対して日本の中で感染者の多い東京はと云えば6月20日前の多い時でもなんと0.5人、緊急事態宣言解除直前の6月18日から6月20日の平均値で0.3人です。東京都で一日の検査数が4500や8000ということは先進国水準にほど遠く、先進国水準に直せば少なくとも一日20000件はやらなければ信頼できる数値とは言えません。
この異常な検査数で割りだした感染者数が常識外れに少なくなることは小学生でもわかることで、こんないい加減な数字にもとずいて政治家も役人もマスコミまでがもっともらしく意見をたたかわしている姿は漫画でしかないのです。しかもこの恣意的な数字で感染対策の基本方針が決められ、オリンピックの開催ルールまで決められている事実は世界の各先進国からどう見られえているのか疑問です。
ワシントンポスト紙には見出しに ”Yattafuri” と日本語をローマ字で表現したものがありました。英語ではどうやら”やったふり”に該当する単語がないらしいです。”Yattafuri” は日本の政治のいい加減さを皮肉ったつもりでしょう。東京五輪はいよいよそれがバレバレになる良い機会です。
こんな環境にもかかわらずデルタ株(インド株)が世界に蔓延したかと思えば、今度は南米でラムダ株が流行し、ペルーでは10万人当たり500人の死亡が報告され、アルゼンチンでも蔓延が起きております。
WHOはラムダ株は今最も注目すべき変異種で、すでに世界の29か国で感染拡大が始まっていると発表しております。
サッカーの南米選手権大会で80人に及ぶ陽性者が出たことがわかり、ワクチンの効果は3分の一だと云われております。
ウガンダの選手団2名の感染が報告されデルタ株に関する水際対策の不備が問題となっておりますが、世界は既にラムダ株に関心が移っております。ラムダ株の水際対策はさらに難しい課題です。これに対して無防備のまま五輪を迎えることになるのでしょうか?。
菅首相の「内奏」が6月22日、西村宮内庁長官の「拝察」発言が6月24日、この日付の順序に関心が集まっております。「内奏の内容から陛下は心配を持たれたと拝察せざるを得ない」と云う見解があるがと記者会見で記者から質問が出ております。
以上、変異株特にラムダ株の問題を考えると、空気伝染に近いエアロゾル感染を考慮に入れると濃厚接触者がつかみにくくなることが予想され、検査件数を増やさざるを得なくなる事が容易に予測されます。その結果感染者数も急激に増加し、コロナが良きにつけ悪しきにつけ社会を変えていくことになるでしょう。
最後にコロナが政治状況も激変させると見通すストーリーを参考までにご紹介いたします。これはあくまでもストーリーなので、必ずそうなるとは思いませんが、激変の予兆を感じとるには良い材料となるでしょう。
元朝日新聞記者・ジャーナリスト、佐藤 章さんの動画