政府は、新型コロナウイルス感染拡大に伴って深刻化する孤独・孤立問題に省庁横断で対応するため、内閣府に「孤独・孤立対策担当室」を新設した。厚生労働省や文部科学省など6府省の職員約30人で構成。緊急フォーラムを開き、問題に携わる支援団体などから意見を聞き、対策に乗り出しました。

コロナ禍で、孤独や孤立に起因していると見られる問題が深刻化。昨年の自殺者数は2万1077人(暫定値)と11年ぶりに増加に転じ、厚労省が自殺者の原因・動機となった問題を分析したところ、「孤独感」は434人(同)で前年比31・5%増でした。

「孤独と健康には、関係があるの?」と疑問に思った人も多いかもしれません。しかし、孤独が健康に与える悪影響は甚大です。

アメリカ・ブリガムヤング大学の研究によると、「社会的なつながりを持つ人は、持たない人に比べて、早期死亡リスクが50%低下する」といいます。この死亡リスクは、1日15本の喫煙に匹敵。
2018年に世界で初の担当相を置いた英国の例は参考になろう。英国では17年時点で国民の13%超が孤独を感じ、経済損失は4.7兆円に上ったと試算。交流拠点づくりや、医師が相談者に孤独への「社会的処方」を施すシステム整備などに取り組んでいる。(3月15日、週刊東洋経済プラス)


ただし、この研究結果には「睡眠不足」が含まれていません。ランキングの下位を見ても出てこないので、そうした分類自体を行っていないようです。

睡眠不足の悪影響が現れてくるまでには、10年、20年以上の年月を要するため、非常に統計がとりづらい。睡眠不足は、時間差でジワジワと悪影響が訪れる非常に怖い悪習慣でもあります。

個別の研究でみると、睡眠時間が6時間未満の人は正常な人と比べて、がんが6倍、脳卒中が4倍、心筋梗塞が3倍、糖尿病が3倍、認知症が5倍、鬱病が5.8倍、自殺率が4.3倍も、リスクが高いという結果が見られます。

コロナ禍は、孤独を生み孤独は睡眠不足と自殺を招くのです。いずれはコロナは収束するでしょう。その時期は早くて年末ですが、コロナ後の終戦処理を今から考えておくことが必要です。3.11の災害でも災害から逃れた人の災害関連死が問題になったことは記憶に新しいと思います。

心の問題は科学では根本解決できません。政府には、孤独・孤立対策担当室を新設したにとどまらず、格差縮小と貧困対策など実効ある解決策を求めます。

格差問題のポイントは中産階級の没落にあると思われます。中産階級によって維持されていた知的水準が国全体で、著しく低下しているのです。反知性がはびこり、官僚の忖度・無力化などその典型的事例です。

日々発表され一喜一憂している感染者数にしても、全くその基準や科学的裏づけが明確ではありません。検査数や検査する対象や範囲が明確ではないからです。従って動く的を走る馬から射るようなもので、恣意的な運用が可能となります。

最近、新型コロナウイルス接触確認アプリ(COCOA) の信頼性が崩れかけております。Googleやアップルのソフトウエアのバージョンアップに対応できないと云う根本的欠陥が表面化しているのです。原因はいろいろありますが発注元の役所の無知と発注先の2重委託による管理責任の不明確化が原因と指摘されております。いつか来た道ではないでしょうか?。とにかく新型コロナウイルス対策の基幹となる重要な歯が抜けた状況は、変異種の蔓延に対処する重要な時期に致命的なマイナス要因となります。

理由は分かりませんが、円安が急速に進み一月間で4~5円も変動することなど今までになかったことです。インフレになるのかスタグフレーションになるのかよく分かりませんが、経済対策として何らかの政策が必要です。こんな事もまともに対処できるのか心配です。とにかく全体的に知的水準が低下している問題はいつまでも足かせとなるような気がします。


 

国内の変異種に関する報道が断片的でまとまりがなく分からない事が多かったが、ようやく3月8日になって明らかになってきた。まず、今分かっていることをまとめてみる。

3月8日現在、国内の変異株、全国で251人(航空検疫57人を含む)、1月のゼロから2月に入って感染者が散見され3月に入って急増している。251人の内訳をみると、東京14人に対し新潟31人、兵庫37人と地方に広がっている(東京の14人は、たまたま検査が徹底していないことの表れで、実際は新潟の37人より少ないとは考えられない。)

大阪でコロナ感染者287人に対して変異株の検査をしたところ、2割強の64人が変異株であることが明らかになった。神戸市で6000人規模で、症状が出ている人に対しスクリーニング検査をしたところ半数近くが新型だったと報告された。

新種を発見するにはゲノム解析が必要で3万文字の中から発見するのは大変そうだ。ゲノム解析が終わり変異株が特定できれば後はそんなに難しい作業ではなさそうだが、変異が多発して新株がどんどん出てくるとこれは厄介なことになると推定できる。いずれにしても検査体制の拡充は必須条件だ。


次に世界の状況を見てみよう。

[シカゴ 3日 ロイター] – 米ワシントン大学保健指標評価研究所(IHME、シアトル)のクリス・マーレイ所長が新型コロナウイルスの感染数と死者数について示す予測は、世界中から注視されている。しかし、同氏は今、流行の先行きについて仮説を修正しつつある。

南ア型やブラジル型の新たな変異株を巡ってここ数週間に出てきたデータは、そうした楽観的な見方を打ち砕いたという。専門家らは今、コロナは一定の地域や季節に一定の罹患率で広がり続けるウイルスとして地域社会に残るというだけでなく、今後何年も発症者や死者の多大な犠牲を招く可能性が大きいとの見方に変わっている。

こうしたことから、人々は、特に高リスクの人々は、習慣としてのマスク着用や、感染急増時の混雑回避などの対策が今後も必要になるとみられるという。

バイデン米大統領の医療顧問トップを務める米国立アレルギー感染症研究所のファウチ所長はインタビューで、ワクチン接種後であっても、変異株が出てきているのならば「自分はこれからもマスクを着用したい」と語った。ちょっとした小さな変異株が出現するだけで、これが次の流行急増を誘発し、いつ生活が正常化するかの見通しをがらりと変えてしまうとも指摘した。

<死者はインフルエンザの4倍にも>

マーレイ氏によると、南ア型や同様の変異株が急速に広がり続けた場合、次の冬のコロナによる入院数や死亡数はインフルエンザ流行の4倍に高まる可能性がある。これは有効性65%のワクチンがその国の国民の半数に接種されたと仮定しての話だ。米連邦政府によるインフル死者の年間予測に基づくと、最悪の場合は次の冬に米国だけで最大20万人がコロナ関連で死亡する可能性があるとの計算になるという。

専門家の考え方が変わってきたことは、流行がいつ終わるかを巡る各国政府にも影響しており、発表のトーンは慎重になってきている。ワクチン接種を世界最速で進めている国の一つである英国は先週、世界でも最も厳しい部類の移動制限措置について、解除はゆっくりになるとの見通しを示した。

米政府が予測する生活様式の正常化の時期も、何度も後ずれしている。最近では昨年夏の終わり頃からクリスマス時期になり、さらに今年3月ごろに修正された。イスラエルが発行する免疫証明書「グリーンパス」は、コロナ感染から回復した人やワクチン接種を済ませた人に与え、持っていればホテルや劇場の利用を認める仕組みだが、有効期間は半年しかない。免疫がどれだけ長く持続するか、よく分かっていないからだ。

<コロナは当初から「動く標的」>

そもそも最初から、コロナウイルスは専門家にとって、いわば「動く標的」だった。

流行の初期にも、有力専門家らはコロナウイルスが一定の地域や季節に一定程度、繰り返し流行が続いていく可能性があり、「完全に消え去ることはないかもしれない」と警告していた。これは世界保健機関(WHO)の緊急対応責任者マイク・ライアン氏の意見でもあった。

<「むち打ちを食らったような」見通し変更>

楽観論は短命に終わった。12月末には英国が感染力の強い新たな変異株が見つかったと警告。この変異ウイルスは英国内で急速に感染の主流になった。ほぼ同じ頃、研究者は南アとブラジルで、感染力のさらに強い変異株が流行し始めたことを知ることとなった。

ファイザー所属のワクチン専門家、フィル・ドーミツアー氏は昨年11月の時点では、ロイターに対し、同社ワクチンの成功はコロナウイルスが「免疫に対するぜい弱性」を持つことを示していると話し、「人類にとって画期的な出来事」と強調していた。しかし今年1月初めには、同氏は変異株が新たな局面到来の予兆となっていることを認めざるを得なかった。

1月下旬には、ワクチンに及ぼす影響がさらに明らかになってきた。米ノババックスのデータが、英国の治験では89%の有効性を示した半面、南アでの治験ではわずか50%だった。1週間後には、英アストラゼネカ のワクチンが南ア型による軽度の発症に対して限定的な予防効果しかないとするデータも示された。(長文のため変異種に関する部分をピックアップした)


コロンビア大学の報告ではニューヨークで感染力の強い南ア型に似た新たな変異ウイルスが拡大中と発表、2月末には3%だったのが、3月に入って12%に急増したと云う。

ブラジル型はアマゾナス州マナウス市で83.4%感染している。世界では14か国に拡大し、感染度は従来型の約2倍にあたる。

変異株は従来型が減ってくる段階で増加する性格を持っている。もう一度WHOのテドロフ事務局長警告を噛みしめる必要がある「ワクチンだけに頼るのは危険だ」

追記:
今朝、ブラジル型変異ウイルスの報道が多発した。埼玉県で変異ウイルスが20人発生しその内18人がブラジル型で2人が重症だと云う。報道機関により18人がブラジル型と断定するものと、濃厚接触者だとするものがあったが、ブラジル型が蔓延始めたことには変わりがない。感染率は約2倍、従来のコロナウイルスとは全く異なるウイルスだとの見解もある。
いずれにしても、変異株が全国的に蔓延始めた今日、早期の抜本的対策が求められている。