混乱下の東京五輪
[東京 20日 ロイター] – 東京五輪に参加する各国の代表団や運営スタッフが来日するのに伴い、新型コロナウイルスに感染する五輪関係者が増えている。大会組織委員会によると、20日までに計71人の陽性が確認された。うち40人が国内在住、31人が海外から来日した関係者。
7月20日、東京五輪に参加する各国の代表団や運営スタッフが来日するのに伴い、新型コロナウイルスに感染する五輪関係者が増えている。これまで判明している選手など大会関係者の感染状況は以下の通り。
●7月20日
大会組織委員会によると、五輪関係者9人の陽性を新たに確認。うち1人は海外から来日した選手村滞在の選手。共同通信によると、国内に住むボランティア1人の陽性も初めて確認された。
●7月19日
チェコのオリンピック委員会によると、選手村に滞在する男子ビーチバレーの同国代表オンドレイ・ペルシッチ選手が検査で陽性になった。26日の試合に出場予定だった。
大会組織委によると、この日は3人の五輪関係者の陽性が確認された。うち2人は海外から来日した大会関係者とメディア関係者で、14日間の検疫期間中だった。もう1人は組織委のスタッフ。
●7月18日
南アフリカのサッカー協会によると、男子の南ア代表チームの選手2人とスタッフ1人が感染。21人が濃厚接触者と判断された。代表チームはすでに東京に滞在しており、22日に日本代表と対戦する。
大会組織委によると、この日は南アの3人を含め五輪関係者計10人の感染が確認された。
●7月17日
東京・晴海の選手村に滞在する五輪関係者の陽性が初めて確認。大会組織委は詳細を明らかにしていないが、選手ではないという。この日は五輪関係者計15人の感染が確認された。
●7月16日
豪オリンピック委員会によると、男子テニスのオーストラリア代表、アレックス・デミノー選手が来日前に陽性判明。
組織委によると、来日後14日間の検疫期間中だった大会関係者1人が陽性。組織委の関係者3人も陽性が確認された。
●7月15日
女子7人制ラグビーのケニア代表チームの選手8人が濃厚接触者と判断される。日本へ向かう飛行機の同乗者が陽性。
男子バスケットボール米国代表ブラッドリー・ビール選手が、東京五輪に不参加。コロナの安全プロトコールに入ったため。
来日後14日間の検疫期間中だった選手が陽性。大会関係者1人、さらに大会組織委員会のスタッフ4人が感染。
●7月14日
ロシア通信によると、同国女子ラグビー選手団のスタッフ1人が陽性となり、チームメンバーが2日間隔離。合宿地の福岡県宗像市によると、1人が入院したが、他のメンバーは濃厚接触者に当たらないと判断された。
難民選手団の1人が陽性。カタールのドーハで判明し、選手団は来日を遅らせた。
7人制ラグビーの南アフリカ代表21人が、濃厚接触者と判断され全員隔離。日本に向かう機内の同乗者が陽性となったため。
●7月4日
ボート競技のセルビア選手団の1人が陽性。到着した東京の羽田空港の検査で判明した。残りの4人は濃厚接触として隔離された。
●6月23日
大阪府泉佐野市で合宿するウガンダ選手団のうち、選手1人が陽性。
●6月20日
千葉県の成田空港に到着したウガンダ選手団のうち、コーチ1人が検査で陽性となり隔離。残りのメンバーはバスで合宿地の大阪府泉佐野市へ。
*五輪組織委が感染者の国籍などを開示していないため、各国からの情報と重複するケースがあります。
以上の情報は、ほんの序の口で今後五輪開会後この種の混乱はさらに続くものと推察されます。この混乱の中で公正な試合が担保されるか、はなはだ疑問です。トヨタが五輪にかかわるPRから撤退したことはイメージダウンを避ける賢明な選択だったと思われます。
変異株が問題をさらに難しくしていること、大会組織委が正確な情報提供を避けていること、この期に及んで検査数が一向に増えていないこと、大会組織委・政府ともに”Yattafuri"や建前主義に偏りすぎていることなどが背景にあり、事態は悪化の一途をたどっています。
第2次大戦末期の日本の軍部の悪あがきを連想させられます。
皮肉にも結果がこれほど不透明でありながら、素人でも結末を容易に言い当てることができるこの不思議な現象は、初めての経験です。
最後にこれを見れば私がくどくど解説するまでもなく、ご視聴いただければすべてのもやもやが晴れるでしょう。